お知らせ
いっタイどういうこと?「天然と養殖」
このところ日も長くなりましたが、まだ少し肌寒い時季が続きますね。
午後3時になると、傾きかけた日に当たりながら、温かいお茶と甘いお菓子で休憩がなんとも心地よいかと。
今回は筆者が食通の師から聞いて驚いた一説、たい焼きの「天然と養殖」についてお伝えします。豆問屋なのに、中のアンコについて触れないことについてはご容赦を!
さて、皆さんがよくご覧になるのが、大きな業務用焼き器で5匹ぐらいを一度に焼き上げる光景かと思います。一度で大量に焼くので、こちらを「養殖」と呼びます。イメージしやすいですね。
一方、1匹または2匹を手持ちできる焼き器で焼き上げたものを「天然」と呼びます。たい焼き職人がカチャカチャと音をたてながら丁寧に焼き上げる姿をみると、それでだけで美味しさが違う気になります。
天然のメリットは、1匹1匹を丁寧に焼き上げることで皮をサクサクに仕上げられること。焼き上げるのに時間がかかるので行列ができることもありますが、逆に、行列がアイキャッチにもなります。
もちろん、「皮はフワフワ派」「アンコはしっぽまで要らない派」など、たい焼きの好みは分かれますが、本当に楽しいのは「わざわざ焼き方に呼び名までつけて楽しんで食べよう」という文化の創り方だと思います。
仕掛人がいて、商品への付加価値付けやブランディングを行い、いつの間にかそれらが文化として形成されている。
たい焼きに限らず、身近なところに隠れた文化や仕掛がある。そのことを、食を通じて発見することで、人生の小腹が少しずつ満たされるのも楽しいですね。
余談:実際にお店で焼き方の違いと知るまでは、この話を聞いて思いついたのが「お〇げ!たいやきくん」。焼いたものをなにか特別な方法で美味しくするのではと・・・。「私は仕掛人にはなれないな」と少し寂しい気持ちになったのを今でも思い出します。